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2022年 J1リーグ 第6節 ヴィッセル神戸 VS 京都サンガ レビュー(雑感)

・クラスター発生により活動停止に追い込まれた京都サンガ。果たして無事に乗り切ることが出来たのか!?と注目されるスタメン発表。なんとか11人は揃えることが出来たようだが、CBが3人に、これまであまり出番のなかったイスマイラと山田がベンチ入りとあからさまに苦しい布陣。一方対戦相手の神戸も武藤はともかく要のサンペールがほぼシーズンアウトという厳しい状況。リーグ戦でも未だ勝ち星がなく監督交代。代表ウイーク明けの試合は、双方が復活を掛けた試合となった。

・試合は静かな立ち上がりに。スペイン人監督らしく、丁寧なビルドアップで前に進みたい神戸。一方京都は相手が何をして来るか、様子を見ているようだった。神戸のシステムが4バックであると判明した後、京都はハイプレスを開始。いくつか引っ掛けてショートカウンターの仕掛ける場面があるも、その勢いは続かず。活動休止の影響はやはりありそうだった。特にウタカのコンディションはいまいち。思ったようにステップが踏めていない、さらに弱り目に祟り目、FWの武冨が怪我により交代。ひとまず、松田を前にあげ、金子を中盤にいれる応急処置。先への不安が増す一方の展開であった。

・それでは神戸が優勢かというとそうでもなく。スタイルとして、丁寧にショートパスをつないでいきたいのは分かるのだが、CBが槇野と菊池。ボランチにも大崎と山口蛍。得意という人たちではないため。効果的な攻撃を仕掛けられない。前半途中から京都が前プレスを止め。CBをほぼ放置するようになったのだが、それでもぎこちなさは変わらず。京都のCBコンビはこの試合が初めてのコンビであったが、十分な強度を示し対抗できていたのも印象的。その中でもイニエスタが技術で守備を剥がし、チャンスを作っていたのは流石であった。ただ、京都から見て守備の強い右サイド側から攻めてきてくれていたのは、正直助かった。

・ネタバレになってしまうが、京都が早々にプレスを諦め、ロングカウンター狙いに切り替えたのが勝負の分かれ目になったと思う。後半、先制したのは神戸。京都守備陣がぶつかってしまうアクシデントを見逃さず得点を決めた。神戸としてはさあここから!という雰囲気ではあったと思うが、得点はアクシデント絡みであって、決して上手くいっていなかった攻撃から。下手に意識が前がかりになりバランスを崩してしまったようだ。ここから試合の流れは大きく変わり、京都がロングカウンターから2点を決め、試合をひっくり返す。不穏な空気が流れる展開から見事な反発を見せた。

 印象に残ったシーンがある。京都の2点目のきっかけとなったのは、神戸CBのミスからだった。フリーの状況で高いボールをワンタッチでのパスを京都の選手に渡してしまった事だ。似たような場面は京都側にはあった、同じ様にCBの選手に高いボールが来た所、「フリー!!」と一斉に声がかかった。どちらのチームも同じ様に難しさを抱えてリーグ戦を戦っている。ただその難しさの質が異なっている事に気がつくのは、ほんの些細な差であったりする。

・試合のまとめとすると。相手の状況が悪いとは言え、ロングカウンターで得点を取れたことは大きな成果だろう。決して本調子では無かったウタカであったが、中盤にスペースがあるのと自信のコンディションとの相談をした結果、最前線ではなく、少し下がった位置で攻撃の組み立てに専念する判断をしていたのは、キャリアを重ねた老獪さのなせる技と言うべきか。宮吉の活躍も同様である。シュートを決めたのはもちろんだったが、ウタカがボールを持てるのも、前線で彼が相手を引っ張ってくれるから。昨季から続く連携の良さを見せてくれている。武冨が怪我をしてしまい、他のFWも計算できない今では、ツートップを組みのがベストなのではないかと。

 守備陣でいうと、初スタメンとなった井上も良いパフォーマンス。高さ強さは十分にJ1でも出来そうだし、ボールを持つのも苦にしてなさそう。ただ、この日の神戸は京都対策とも言える、裏への嫌がらせを仕掛けてこなかったので、そこの対応がどうなのかはまだちょっと様子見。そこをクリアすればスタメン当確だ。プロの始めはJ3。ここまでたどり着いているのも夢がある。