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サッカーブログです。

ジャイロ プレー集 黒子の役割

今シーズン新加入のジャイロは守備の得意なボランチです。
守備的なボランチを大雑把に分けると、
積極的にボールを奪いに行くタイプと危険なスペースを潰すタイプ。
ジャイロは後者です。アンカーと呼ばれる役割をこなしています。
アンカーがどのようなプレイをしているのか、ジャイロのプレー集を見てみましょう。
動画は、山形戦、松本戦、湘南戦の3試合の中から抜き出しました。


○中盤のフィルター役
まずどのスペースを守っているのかと言うと、相手に侵入されると失点の可能性が高い場所です。
DFラインの前方、いわゆるバイタルエリアと呼ばれている場所です。
常にこのポジションに居ることがチームにとって重要になります。

1,4,7,8の場面。
バイタルエリアで待ち構え、パスやドリブルで危険な位置へ侵入しようとする相手を防ぎます。

3の場面。
守備の人数が足りない時には不用意に飛び込まず、相手のスピードを落として味方が守備に戻ってくる時間を稼ぎます。

ボールを奪われた後、カウンターを防ぐための重要なプレーです。

そして5の場面。
守備の選手が多く、パスコースを予測出来た時には相手に寄せてボールを奪いに行きます。

一口に中盤の守備と言っても、状況を考えてプレーを選択する必要があります。


○縦への仕掛け
守備が主な仕事といっても攻撃のためのプレイも時には求められます。
DFからのパスを受けるポジション取り、相手の隙をついての縦パス、などなど。


残念ながらジャイロはボール扱いがあまり上手くありません。
3試合の中からでも目を引いたのはこれくらいでした。
左右の足が使えるの良いことなのですが、
相手からのプレッシャーを受ける中で、精度の高いパスを出すほどの器用さは無さそうです。



○危険なスペースを埋める
解りにくので図を使います。

時には、相手の進行を止めたり、ボールを奪うためにDFラインからDFが飛び出すことがあります。
DFラインに出来た危険なスペースをボランチが代わりに埋める、という動きです。



1、左SBの比嘉が飛び出してタックル、さらにサイドのスペースに出されたボールに対して酒井が当たります。
  バキと酒井、CBの間に出来たスペースをジャイロが埋めています。
2、パスカットを狙うために前にでたバキの代わりにジャイロがDFラインに入り4バックを維持しています。
  ここまではいいのですが、二人そろってサイドに寄ってしまいゴール前の人数が足りていません。
  失点してもおかしくないミスです。
3、比嘉が前に出たのでバキが左SBの位置に移動、さらにCBの位置にジャイロが入り、
  左から、バキ、ジャイロ、酒井、石櫃、の4バックになっています。
4、こぼれ球を拾われたので比嘉が前に。
  ジャイロは比嘉のポジションに移動してクロスに備えます。
5,比嘉がハイボールに競り合うために前に。代わりにジャイロが左SBの位置に入り4バックを維持します。

見逃してしまいそうですがとても重要なプレーです。
DFラインの穴と言うのは、即失点につながってしまうような大きな隙です。
おそらく相手にボールは渡らないだろうと予測される状況であっても
サボらずにスペースを埋めて可能性を消すことは大切です。
事故のような失点を減らし守備の安定につながります。



以上が主な役割です。
ジャイロに限らず、このタイプの選手は攻撃面でチームに貢献することはほとんどありません。
けれども、攻撃的なサッカーを志向するチームには欠かすことの出来ない選手です。
危険な場所を消し、相手の攻撃スピードを落とせる選手が居るからこそ、
他の選手達は、カウンターを恐れずに思い切りよく前に出られるのです。


どうしてその選手が使われているのか。チームにどんな利益を与えているのか。
探してみるのもサッカーを観る面白さかもしれませんね。