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サッカーブログです。

〜これでいいのだ〜 2017 J2リーグ 第2節 京都サンガ VS 徳島ヴォルティス


京都の第2節の相手は徳島。
今年の密かな注目ポイントにしているのがJ2で突如起こったスペインブーム。
徳島、千葉、東京Vにやってきた3人のスペイン人監督です。
どのような経緯で来日することになったのかはわかりませんが、
サッカー技術では最高峰の国から指導者がやってきたのはJリーグにとって喜ばしいことでは無いでしょうか。
中でもリカルド・ロドリゲス監督が率いる徳島はシーズン前にはJ1新潟に圧勝。
また第1節もしっかり勝っていたりとなかなか良い評判が聞こえてきています。
実際にどのようなサッカーをするのか。楽しみでもありました。

京都は第1節を1−2と落としました。
ホーム連戦となる第2節ではなんとしても勝ち点をとっておきたい所。
第1節では攻守ともに課題を残した内容で、どれだけ修正をかけてこれたのか。
また選手の入れ替えも考えられる試合になりました。

京都のシステムは前節と同じく3−4−3。
ソンミンに代わり、前節交代出場からリズムを作った仙頭が初スタメン。
徳島のシステムは3−1−4−2.
京都とおなじ3バックですが中盤の並びが違い、単純なミラーゲームにはなりませんでした。


◆修正をかけた京都の守備
前回のブログでも書きましたが、まずい守備から2失点してしまった京都。
守備方針を切り替えた様子がはっきり見て取れました。


前節ではボールを奪われたらすぐさま奪い返しに行く守備を志向していましたが、
今節では徹底して自陣に引くことを選択しました。
ボール取られたらすぐ帰る。とにかく自陣のスペースを埋めることを最優先。
特に右サイドの石櫃は徳島のキープレイヤーである馬渡に裏を取られないように用事深く守備をしていました。
京都の3バックはスピードが有るわけではなく、むしろ後ろで構えて跳ね返すのが得意なので、
自陣に引いて低く守備を構える守備の方が向いているのでは無いかと思います。

たまに思い出した方のようにプレスを仕掛ける場面があるのですが、
もれなくプレスをかわされてゴール前までボールを運ばれていたのは切ないところでした。


◆徳島が見せるポゼッションサッカー
徳島はスペイン人の監督だけあって、ボールを持つ事にこだわるサッカーを見せていました。

3人のボランチの動きに特徴があり、頻繁にポジションを変えてDFラインからのボールを引き出し、
前を向いてパスを出せる状況を作っていました。
長距離砲台カルリーニョスが目立ちますが、岩尾と藤原も安定したパスの技術を持っている選手で、
3人の誰がボールを持っても縦にパスを出せる組み合わせです。

テクニカルな選手を並べると守備が心配になりますが、
2トップがプレスを掛けて後ろの守備を助けたり、
攻撃から守備への切り替えを早くしてボランチが一人で守備にさらされる場面を防ぐというやり方で
守備の弱さをカバーする手段もきっちり用意していました。
ポゼッションサッカーをやるためのお手本のような戦術ですね。

少し脱線した話になりますが、徳島のボランチの動きで感心した事がありまして、
京都が積極的にボールを奪いに来ていないので、比較的高い位置でボランチはポジションを変えながらボールを受けていました。
徳島の前節の対戦相手、東京Vはプレスを前から掛けていたので、
ボランチがDFラインまで下がり4バックに変化する事によって前を向き、
フリーでボールを受ける動きを多用していました。

ここから推測すると、相手の守備が前からプレスを掛けてくるor自陣に引いて守備を固める、
どちらのタイプであっても、徳島は安定してボールを前に運ぶ方法を準備できているという事です。
短期間の間でここまで戦術を整えられているのを見ると、リカルド監督はいい仕事をしていますね。


閑話休題
ボランチを経由した安定したボール保持が出来ると、周りの選手は高い位置を取りやすくなります。

京都の撤退守備にはDFラインと中盤の選手の間が空きすぎているという弱点があり、
何度も縦にパスを通されてゴール前に迫られていました。
徳島側から見るとチャンスをつくるも得点までは至らなかったのですが、
ちょっとFWの選手にパワー不足を感じる所もありましたね。

一方で京都の撤退守備が功を奏したと言えます。
やられそうだけども最後の最後はやらせない。
不格好ですけども自陣に引く人海戦術の強みでもあります。


◆選手交代で押し返す京都
前節とおなじ流れですが、後半京都は選手交代から反撃にでます。
オリスの高さと巧みなポストプレーにより、それまで押し込まれっぱなしで一方的な展開を打開していきます。
京都はここで更に積極的な交代策とります。62分に岩崎を投入。
残り30分近くある中で3人の交代を使い切る思い切った采配です。
オリスのポストプレーの受け手として岩崎は積極的に動き、
また連携して攻撃を組み立てる2人に引っ張られてエスクデロの動きも良くなってきます。

と勢いに乗ってきたところでアクシデント。闘莉王の負傷してダッシュできない状態に。
交代枠がすでにない京都はCBに吉野を下げ、オリスが中盤に、闘莉王をFWに置くという緊急事態に。
ここで京都に幸いしたのが徳島の運動量が落ちて、双方カウンターの打ち合いになった所でしょうか。
最終的には自陣FKからオリスが頭で落とし、負傷していた闘莉王が決めていまうという結果オーライとして言えない結果に。
とにもかくにも京都はシーズン初勝利を手に入れました。


◆ひとりごと
サカダイの採点では勝っている京都の方が
評価点が低いという珍しい結果に。
徳島は負けたけど何も変えなくていいし、京都は勝ったけれどそれでいい?ほんとに?。


徳島はボランチ3人とDFラインも足元の上手い選手を並べているのでボールを持つ力は高く、
これから対戦する相手は下手にボールを奪いに行くと痛い目に合うと思われる。
その反面、受けに回ると弱さが見える所も。
守備の弱さを運動量で補っているふしがあるので、
ボール持って相手を押し込む→クリアーされる→素早くプレスを掛けて奪い返す→再び相手を押し込む、
というルーチンを続けられる間に点を取れるかどうかで勝ち点が決まりそう。
そう考えるとFWに何を求めるかは悩ましい所では無いだろうか。

一方の京都。
結果として勝ち点3をとれたわけだけど、
初戦で自分たちのやりたかった事を、今回の相手がそれなりに形にしていた事を見せつけられると、
心中穏やかな気持ちではなかったのでは無かろうか。

徳島は運動量を元に守備のベースにしていたので、
前半は守りに徹して、相手の動きが落ちる後半に選手入れ替えて勝負をかけるという形になっていたのは
勝つためにはなかなか理にかなっていたように思う。つまらなかったけど。

攻守に影響力の大きかった闘莉王が怪我をしてしまい次節は欠場濃厚。
またチームとしてどういう舵取りをするのか決断に迫られている状況になっている。
こっちのやり方でいけるやん!となるかやっぱりだめでした!となるか。
まだまだスタメンを探す作業が許される時期なので色々試すのも良いんじゃないですかね。