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2021年 J2リーグ 16節 京都サンガ VS ヴァンフォーレ甲府 プレビュー

試合情報

明治安田生命 J2リーグ 第16節
2021.5.30 14時 キックオフ
京都サンガF.C.(1位/11勝2分2敗/勝ち点35/得点26 失点10)
×
ヴァンフォーレ甲府(5位/8勝4分3敗/勝ち点28/得点21 失点11)

@サンガスタジアム by KYOCERA

 

直近5試合の戦績

ヴァンフォーレ甲府 ○○○△○

※5試合負けなし 3連勝中

 

 京都サンガF.C. ○△○○○

※10試合連続で無敗継続中 3連勝中

 

共に3連勝中の好調のチーム同士の対戦。双方ともに直近5試合で失点2と非常に守備が固い。前節新潟を下し首位にたった流れを維持し、地位を確固たるものにしたい京都。チームにさらに勢いを付けて昇格争いに加わりたい甲府。上位対決は1点を争うゲームになりそう。

 

   

怪我人、出場停止情報

特になし

予想スタメン

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展望

■甲府の可変システム

甲府は非常にJ2っぽさを感じるチーム。それは選手たちの献身性、統率のとれた連動性、541で構える守備といったあたりからそう感じるのかもしれない。高い組織力を示す証として、甲府は可変システムを採用している。

可変システムというのは攻守(ボール持ってるか、持ってないか)で選手の配置を変えること。どうして甲府はそうするのかというと、カッコいいから・・・ではなく、選手の特徴のいいとこ取りをしたいから。相手に合わせてやることもあるけれど、甲府はあくまでも自分たちの選手を活かすためなんだと思う。

簡単に説明すると、左シャドーの泉澤が左サイドに大きく開き、左SBの荒木は内側に入ってくる。いわゆる偽SBというやつだ。ついでに左ボランチの野津田が前に上がり、右シャドー長谷川はCFのリラと共に2トップの様な形になる。

優れたドリブラーである泉澤をサイドに配置することで、一対一の勝負を増やすのが一番の目的だろう。ではなぜわざわざ可変させるのか、最初からサイドに置くのではだめなのか。

通常3バックを採用するとサイドを担当する選手はウイングバックとなり、守備時には541の5の場所まで帰らなければならない。泉澤の攻撃力を考えると、上下移動に使う体力を少しでも減らしたかったんだろう。泉澤の守備でのポジションは541の4になる。

可変に関わる選手では、ウイングバックの荒木を内側に入れることで技術を活かす。ボランチの野津田の活動範囲を広げることでそのシュート力を使う。といった具合で、それぞれの選手の持ち味が引き出される様になっていて、設計の巧みさに感心してしまう。伊藤監督はいい仕事してる。

一方、可変システムの弱点としては、移動するための時間が必要になってくることだ。その性質上、速い攻撃というのやりにくい。そのせいか流れの中からの得点というのが意外と少ない。得点の半分はセットプレーになっている。

 

■鉄壁の541

甲府の守備はゴール前を固める(リトリート)を第一に考えている。プレスを開始するのもちょっと低めで、だいたい真ん中を超えたあたりから。最近ではちょっと珍しいタイプになってしまったけれど、人が多いのはやはり強い。カバーリングの意識も高く、失点の少なさにも納得が行く。

守備を固めた後は攻撃に・・と言いたいところだが、ここにちょっと難がある。前線に残るのがCF一人だけになってしまうので、押し返すのが大変むずかしい。CFのリラを見た感じでは、起点になるというよりは動き回るタイプなのも関係してる。一方的に押し込まれる展開を嫌って、泉澤を前に上げる532に変えることもある。当然守備はゆるくなるので、どういう塩梅にするのかは結構悩んでるかもしれない。

ちょっと名前が出たCFのリラについて。Jリーグ公式からも動画が出ていたけど、今季新加入の外国籍選手は難しい状況で。入国した際の2週間の隔離でかなりコンディションが落ちてしまうようだ。どこのクラブもそうだけど、コンディションが戻るのを我慢して待っている形になっている。リラも同じで伊藤監督は我慢して使っていて、攻撃を完結させるために必要な存在だと捉えているのだろう。それがいつ訪れるかは分からない。次の京都戦がそれになるのかもしれない。

 

■勇気を持った前進を

京都側からの視点を考えてみよう。甲府もボールを持とうと思えば持てるチーム。だけれども、前節の新潟に比べるとちょっと落ちる。京都がボールを持つ展開になるんじゃないかなと予想してる。甲府の541をどうやって崩すのか、が試合の焦点になると思う。

定石でいうと、甲府のワントップを2CBとアンカーの三角形で囲み、誰か一人が思い切って前に運ぶことが求められる。そうして甲府の第2守備ラインの選手を引き寄せて、順番に丁寧に外していく必要があるだろう。甲府の守備もカバーの意識は高く、なかなか穴を作ってくれないと思うんだけど、じれないことが大事だろう。前節では守備の我慢が光ったけれど、今節は攻撃での我慢ができるかどうか。

守備では思い切ったプレッシングが必要、というか狙い所な気がしてる。予想スタメンで松田をIHに置いているのも、個人的な希望。相手のスタイルを考えると、ちょっと前掛かりのプレスになる位がちょうど良いんじゃないかと思う。