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2021年 J2リーグ 16節 京都サンガ VS ヴァンフォーレ甲府 レビュー ~京都の夏、どう付き合う?~

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レビューを書く、というのにちょっと困ってしまう事もある。この試合はお互いに見せ場も少なく、要するに塩試合だったという事です。

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京都側からの視点でいうと、非常にぼんやりとした試合になってしまったように思います。首位にたってほっとした・・・という訳では無いでしょうけど、やはり30度近い気温が影響は確かにあったのでしょう。

京都は相手によってやり方を大きく変える事はなく、前線からプレスをチームのアイデンティティとして非常に大切にしています。当然この試合でもプレスを掛けに行くことになるのですが、ペース配分がどうしても気になるんでしょう。いつもの勢いがありません。一人目が強く行っても、二人目がついていけません。ハンドブレーキを引いたままでアクセルを踏んでいるようです。こうなると、相手にストレスは与えども、一番の狙いであるショートカウンターまでは持っていけない。でもスタミナは消費していく。難しい展開になってしまいました。

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 甲府の守備組織は強さも規律もあって、非常に完成度が高いですね。失点0が続くのも頷けます。それを破るにはどうすれば良いか・・。京都の質的優位というと両サイドバックのドリブル突破が浮かんできますが、5バックを相手にすると、なかなか勝負できるシーンは作れないですね。サイドを変えてみてもすでにスペースを埋めていますし・・。

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こうなると、ウタカの不調の影響は大きいですね。去年に比べると、他の選手の得点は増えているのですが、アシスト数にも出ているようにウタカが絡む事は多く、依然とし依存度は高い状況が続いています。京都の攻撃はウタカがフリーマンとして振る舞う事で、変化を付けているためウタカの運動量が落ちるとそのまま単調な攻撃になってしまいます。

能力の高い選手に頼るのはある意味当然ではあるのですが、今の調子を見るとこのままずっとスタメンでというのは難しそう。とはいえ、フリーマンという役割を他の選手が出来るのか?というそれもやはり難しい様に思います。

他の選手に変わっても上手くいく方法を探すのか、それとも無理を承知でウタカをこのまま使うのか、はたまた夏の移籍で新たな選手を獲得するのか。

ずるい言い方ですが、どれもアリです(笑)あれこれ予想するのがファンの楽しみでしょう(笑)

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試合に戻りましょう。 個人的に印象に残ったのが70分あたりにあった交代。京都は中川と荒木。甲府は鳥海と三平。両チーム共に攻撃的な選手を入れたのですが、その効果は大きく違っていましたね。正直な所やられたと思いました。京都が全体的に動きの落ちたところで、活動範囲の広い三平とドリブルで勝負できる鳥海の投入は絶妙だったと思います。

逆に中川と荒木はそれほどのインパクトは残せませんでした。というよりちょっと何を期待していたのか分からなかった。というのも、これは京都のチームづくりの手法にも関係してるんじゃないかなと思います。

京都はマンツーマン要素強めな守備をするように、個人個人が緩めないことがベースになっています。全体のビジョンを先に描いて組み立てるというよりは、それぞれの部品を積み重ねると大きな物が出来た!という感じ。ある程度の約束はありそうですけど、それでもアドリブ要素が強めです。

 この試合の様にスタミナ的に厳しい条件になると、途中から入ってきた選手がどうしても浮いてしまうんですね。周りとの勢いの差がどうしても合わない。プレスを頑張ろうとしても、一人が速いだけなので逆に相手の攻撃を促してしまったりもします。

個人に頑張らせる環境にすることで若手の成長を促すという目的もあるのですが、逆に出てきている弊害についても覚えておきたいところです。

ただ、リスクを飲み込んで、それでも続けることが強さにつながっているのは確かでしょう。

 

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まとめます。嫌でも訪れる夏の暑さに対して、どうやって付き合っていくのか?という課題が突きつけられた試合であったように思います。ハイプレスとは相性の悪い日本の夏。しかし、リーグ戦を勝ち抜くために乗り越えなくてはならない壁です。解決策は見つかるのか、それを乗り越えた選手達はどうなっていくのか。楽しみにしていましょう。