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京都サンガ2014年シーズン振り返り その1

京都サンガの2014年のJ2リーグは9位。
自動昇格やプレーオフには遠く、クラブ史上もっとも順位が下という厳しいシーズンとなりました。
クラブに何が起こっていたのか。記録として自分なりの考察を残しておこうと思います。


○もう一歩前に進むために
前任の大木監督は3年間で独特なサッカーを作り上げていました。
選手間の距離を短くショートパスを細かくつなぎ、攻撃にも守備にも積極的に自分達から仕掛ける。
けれん味の無いそのサッカーは内外から賞賛され、京都のスタイルとして認知されるほどでした。

一方、サッカーの内容と結果が結びついていたのかどうか。
パスを何本もつないだり攻守に運動量と切り替えの早さを必要としていたためでしょう、
好不調の波が激しく圧倒的な内容で勝つこともあれば一旦リズムを失うと何試合も勝ちが遠ざかる脆さもありました。

自分たちのやることを愚直にやり切る事がチームの強さの要因なのですが、それが仇となる場面が見受けられました。
特に相手が引いてスペースを消す守備を仕掛けた時です。綺麗に崩そうとするあまりに守備のリズムを与えてしまうことも
ボールを持つ時間を増やし相手ゴール前に迫るけれどもシュートまで持ち込めない。最悪の場合カウンターで失点してしまう……

同じリズムを続けて試合を硬直させない。
相手の出方に対応できる柔軟性をもたせる。
競った試合を勝つために必要なもうひと押しを付け加える。
2014年はそういった改善を狙って動き出したのだと思うんですね。
自分はそう認識しています。


○バドゥ監督
新しくやってきた監督はブラジル人のバドゥ。

陽気でサッカーを心から楽しもうという姿勢がこちらにも伝わり、
ファン感でサポーターを煽ったり練習場を見学者に開放したりと、ファンに対するサービス精神を持っている。
チームをまとめあげる監督の脂質として、選手にこの人について行こうと思わせる事が必要で、
カリスマ性というのは少し言いすぎですが、人としての魅力は十分に持っていた人でした。

ボールを保持する時間を高めて攻撃的に進めるサッカーを志向しているようで、
前年までやっていたサッカーとずれはさほど無く、スタイルとしては十分継続していると言えたと思います。
監督の言葉から「サプライズ」とよく出てきたも選手の自主性を尊重していたからでしょう。

開幕戦を改めて見なおしたんですが、これがなかなか面白いサッカーやってたんですよね。
連携がぎこちなかったりするのですが、チーム全体に前へボールを運び点を取るという意識に満ちていて、
ポジションチェンジも選手個人の判断で行っているようで、それが良い崩しに繋がっているようでした。
監督が掲げている「自主性」「サプライズ」の標語を上手く表せているのではないかと期待をもった試合でありました。

けれども、J2リーグはそれほど甘いものではなく徐々に綻びが見えるようになっていきます。

京都の核となっている選手はなんだかんだで個人能力が高くて序盤はそこそこ勝ち点を取れていたのですが、
チームは試合をこなすにつれて連携が良くなったリ戦術が浸透したりで完成度は上がっていきます。
そのスピードが上位チームと京都では差が付けられるようになります。

上手く行っていないのは解っていたとは思います。
ある意味信頼しているという事なのですが選手自身が問題を解決するだろうと様子見が続き、
システムや配置に手を加える事があまりなかったのは監督の仕事としてはあまりよろしくないでしょう。

特にまずかったのは守備でしょうか。
チーム全体が前掛かりになる一方で中盤より前の選手達の守備意識は乏しく、
結局の所、センターバックゴールキーパーでなんとか抑えている状態でした。
ただでさえ不安定なのに逆転を狙うためにバランスを崩しさらに失点を重ねるといった
無理な采配が混乱を呼んでいたことも大きな減点要因です。

成績が伴わず選手からの求心力も落ちていたようですし、
6月での解任もやむ無しといったところでしょうか。


パート2へ続きます。
テーマは「監督とコーチと選手」で。