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〜起死回生〜 2015 J2リーグ 第24節 京都サンガ VS セレッソ大阪



○石丸監督の賭け
シーズン途中の監督就任からホームでの初試合。スタメンは大きく変わりました。
ツートップには有田と宮吉。ボランチに怪我明けの田森と原川、そしてCBには下畠。
本人がショック療法であると明言するように思い切ったメンバーです。
攻守に献身的に走れる選手を起用したということですが、
それよりもむしろ相手に勝とうと積極的に前に出られる選手を選んだように想います。
印象的なシーンがありました。
67分磐瀬がファールを受けた事に対して、監督だけでは無くベンチにいたスタッフ、コーチが一斉に立ち上がり抗議。
石丸監督は勝つために選手、スタッフ全員に闘うことを要求したのです。

力量が上であるセレッソとの試合に対して、
チームを追い込んで挑むというのは非常に勇気の要ることだったと想います。
その監督の覚悟に選手は呼応して、見事な試合を見せてくれました。

思えば京都というのはメンタルに大きく左右されるチームで、
軽い興奮状態で一見無茶に見えるくらい前にでていく試合をする方が合っているのかもしれませんね。



セレッソ対策
先制点は早い時間に決まったのですが、その後にも同じような崩しが見られたので
チームとして攻めるポイントを決めていたようです。。

有田がボレーシュートを打った場面です。図の様にセレッソの左CBとSBの裏を執拗に狙っていました。
左CBの染谷はご存知の通り前に出て行く守備は得意ですが裏への対応には脆さがあります。
さらに左SBの丸橋もどちらかと言えば攻撃の得意な選手で、左MFのパブロも怪しい動きを見せていました。
試合開始からキレキレの伊藤の単騎突破だけでなく、下畠を起点に、内田、原川の絡むグループでの崩しもあり、
2点目も十分狙える効果的な攻めができていました。

前半20分くらいの所でパブロと関口の位置を交代することによって対応されてしまいましたが、
CBとSBの間を狙う攻めを1試合通して何度も繰り返せるように、精度を高めていって欲しいものです。


そして守備でも特徴的な対応がありました。

DFラインの選手がボールを持っている時には2トップの有田と宮吉はプレスに行きません。
山口、橋本をマークすることによって、セレッソのDFからボランチへのパスコースを消します。
最も危険な中央で前を向かれる事を防ぐ狙いです。
そしてサイドにボールを追いやった後にプレスをかけ、相手に余裕をなくさせてボールを奪う。
短い準備期間でしたがしっかりと選手には浸透していましたね。

中央を崩せないセレッソはサイドチェンジを使って揺さぶりをかけてきますが、
これも素早いスライドで対応、駒井、伊藤、石田の守備も光りました。
ですがサイドチェンジを繰り返されると、どんどん体力が削り取られていくので、
なるべくならその前に防ぐ方法が今後必要になってくるでしょう。


○この試合をきっかけに
短い練習時間の間に石丸監督が最低限の事を仕込んで来たわけですが、それが思いの外ハマった試合になりました。
全員の運動量や集中力は尋常でなくもう一回同じ事をやれと言われても難しそうです。
これからは夏場を迎えるにあたって、ロスの少ない守備組織の構築や攻撃の精度を高める事が求められるでしょう。

前に指揮していた愛媛は 組織だってはいるけれどもいま一歩足りないチームでした。
これから京都で指揮を取ることになりどのようなチームを作っていくのか。
愛媛時代には出来なかった事が京都では可能なのか。どんな引き出しを持っているのか。
興味がつきないところですが、なるべく長く指揮できるように期待したい所です。