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〜ノックはし続けるも勝ちへの扉は開かず〜 2017 J2リーグ 第4節 ファジアーノ岡山 VS 京都サンガ


昨季は両チームともにPO進出。J1まであと一歩の所まで来ていている両チーム。
上がれそうで上がれない、PO圏内止まりという位置づけが長く続いているのでなんとか打開したいと想いはあるでしょう。

クラブの運営としては堅調で、毎年少しづつではありますが観客動員数も増え、
昨季はついに1試合あたりの入場者数の平均が1万人を突破。
また、ファジフーズと名付けられたスタジアムグルメの充実度合いがサポーター達の間では有名ですね。
クラブとして一歩一歩地道に力を付けている様子が伺えます。
地方クラブの成功例として、甲府、新潟と共に語られるようなそんなクラブになりつつありますね。
選手編成で見ると中林、押谷、矢島、岩政なでセンターラインの中心選手が抜けてしまいました。
一つのサイクルが終わってまた新しいチームを作り、再度J1に挑戦!といったところでしょうか。


一方の京都。
内容は良くなっているものの負けという結果を受けてか大きくスタメンを変えてきました。
前節いい動きを見せていた大野、シーズン前にはスタメン候補であった望月、昨シーズンスタメンを奪った高橋。
システムは3−4−3のままが予想されているので、特に大野には攻守に渡って違いを見せる必要があるでしょう。
怪我上がりの闘莉王とこれまでスタメンだった大黒は劣勢を跳ね返す切り札と言った所でしょうか。


まだ勝ちのない岡山。負けが先行している京都。
お互いに勝って結果をチームの勢いに変えたい1戦です。


◆用意してきたプレス対策
開始そうそうにバーにシュートが当たるなど、試合開始から激しい展開になります。
お互いにプレス志向が強めでそれゆえに、ロングボールとそのこぼれ球の奪い合いがしばらくは続き、
相手を押し込んで試合の主導権を握ろうとする序盤でした。
惜しいシュートを放つなど流れが岡山に移り始めた辺りから、
京都は岡山対策とも言うべき作戦を使い始めました。


まずボランチの望月が高橋と牟田の間まで降りてきて4バックに変化します。
4バックに変化することによって岡山の前3人によるプレスの的をぼやかし、楽にボールを持てるようになりました。


4バックでボールを回すことで相手を動かしフリーで前を向く選手を作り出し、
そこから右サイド石櫃へダイナミックなサイドチェンジをしたり、
強さをもっているヨンジェや大野に裏を狙わせます。


ロングボールを出しているシーンだけを抜き出して動画にしてみました。

似たような形は前後半あわせて8回。
繰り返し見られてという事は選手がアドリブでやっていたのではなく
チームとして事前に準備をしていたということになります。

岡山は前からボールを取りに行くスタイルのため、DFラインは比較的高めに取っています。
前でしっかりプレスを掛けに行くことが出来ている時には高いDFラインは効果的に働きますが、
逆にプレスを掛けられないと裏にスペースを与えることになります。

京都は3バックから4バックへと移行することにより、
岡山のプレス戦術を無効化することに成功します。
結局岡山は守備時のシステムを5−2−3から5−3−2に変化させ、
プレス戦術を諦めて後ろに引いて守ることを選択していました。

リーグ4試合目になりますが、これまで後手を踏む試合ばかりだったので、
戦術で相手を上回る事で出来たのは正直うれしかったです。
試合を自分たちでコントロールして主導権を握っていただけに、
欲を言えば、相手が対応してくるまでに得点を奪いたかったところですね。



◆勝負のあや
後半も京都がペースを握ったまま先制点が生まれます。
このままいい感じに進めば・・・という所で染谷が怪我のため交代しています。
染谷のポジションは左CBでしたが役割としては
望月、吉野と並んで第3のボランチとして振る舞って攻撃の起点となっただけに痛い交代でした。
闘莉王が代わりに入りましたがこの交代からDFラインが下がり、
前線も飛ばしすぎて運動量が落ちて間延びしはじめていました。

このあたりから徐々に岡山がボールを持てるようになってきました。
特に途中から出てきた大竹はいやらしいポジションを取り縦パスを引き出していました。
京都の失点は・・・ボールが守備で当たってコースが変わった所に大竹がいた事はアンラッキーではあるのですが、
あの場面でパスを選択して通して来た大竹を褒めたいところです。

同点に追いつかれたところで京都はリスクは前に出ることを選択します。
バランスを崩し気味でリスクをとった攻撃を仕掛けて、そのリスクがそのままPKの失点につながります。
なかなかショックのある負け方ではありますが、リスクを取っても勝ちを目指したので、仕方のない諦めのつく失点かもしれませんね。
それよりも反撃を受けても勝ちを目指して反発するんだ、これが私たち京都が目指しているサッカーのスタイルなんだと。
そういう主張を周りに示した試合になったのかもしれませんね。


◆ひとりごと
まずは岡山の方。
劣勢になっているときにもやり方を変えて凌いだり最後の最後でうっちゃりを決めてきたり、
粘りをみせられるチームに思う。
それでも外れたメンバーの影がちらつく場面が多々あり。
ビルドアップはほぼ喜山1人に任せっきりで、矢島が抜けたのは相当きつそう。
ロングボールの精度という面でも矢島が抜けたのはきつそう。
今までと同じことをやると行き詰まりそうなので、そういう意味でも新しいチームを作る途中なんだろうな。


代わって京都。
途中まで狙い通りの試合をしていただけに負けという結果はやるせない。
が、なぜ勝てたかわからない徳島戦もあったので、相殺したことになるだろうか。
4試合みて感じているのが、いわゆる若手と呼ばれる選手の動きの良さ。
入れ替わりながらスタメンで出てくるのだけれど、
揃って自分の今を出し切ろうという気持ちが見えている。競争も起こっているんだろう。
京都に色々な監督が来たけれど、若手をこういうテンションで送り出してくる人はちょっと記憶に無いので、
布部監督が柏コーチ時代に若手をぐんぐん伸ばしたという評判もあながち間違ってはいないんだろう。
今のところ、試合でも結果はともかく最初から行けるところまでとにかく全部ださせる事に重きがありそう。
いやまぁ結果も出るのが一番良いんですけどね。