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試合分析 マンチェスターC VS チェルシー プレスとサポート

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◆明確な差となったプレス耐性

開始5分のFKから始まったシティのゴールラッシュ。チェルシーの不注意な守備が6-0という壊れて試合を引き起こしたと言えるかもしれません。しかしそのミスが無くてもシティの勝利は変わらなかったでしょう。

両者ともに同じ4-3-3で前線からプレスをかける似たようなスタイルでゲームに望んでいました。勝負の分かれ目は両チームのプレスを回避する能力。そこには明確な差があり、試合の大勢を決めることになります。

 

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シティをプレスを回避した一例です。

 5:50~6:00の時間帯、シティはプレスを掛けられてゴール前まで押し込まれたのですが、サイドで綺麗なひし形を作ってチェルシーのプレスを回避することに成功しています。ここではバークリーの寄せが甘くフェルナンジーニョをフリーにしてしまいました。

 

チェルシー側からみると前からプレスを掛けて相手を押し込んでいるにも関わらす、守備の網をかいくぐられて逆にピンチになってしまう場面が頻発していました。チェルシーの前プレスはリスクとリターンの釣り合いが取れていない動きと言えたでしょう。

 

一方でチェルシーはシティの前からのプレスを上手くかわせていない事がわかります。

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高い位置からプレスを掛けるときにインサイドハーフが前にでて4-4-2の形になるのんはチェルシーもシティも共通しています。ならばなぜシティのプレスは成功するのか?

シティのプレスの特徴として相手に寄せるよりも先にパスコースを切ることを優先しています。そうして狭いサイドバックにボールを誘導させて奪いどころとしていました。このとき逆サイドをあえて捨てて横に圧縮させる事でよりスペースと近くのパスコースを消しています。この一連の動きをチーム全体で理解して実行できているのは流石ですね。

もう一つプレス耐性について両チームの差が見えたところがボールへのサポートの量です。特にインサイドハーフの落ちる動きの有無です。シティはDFラインやアンカーの選手のサポートのためにギュンドアンやデ・ブライネがアンカー脇まで落ちる動きを繰り返していました。一方チェルシーのカンテ、バークリーにはあまり見られませんでした。

チェルシーにとって相手チームのジョルジーニョへのマンマークは定石となり、ビルドアップに苦労する場面が目立つようになってきています。インサイドハーフの落ちる動きでのサポートを増やせば改善できるのではないかと思います。

 

 

◆シティの凄み

シティの 強さを安定したビルドアップが支えています。相手の第一守備ラインの形に応じて選手を変え配置を変え、あらゆる手段を用いてオープンな選手を作り攻撃を開始します。この柔軟性を他のクラブは真似が出来ないでしょう。

シティの、グアルディオラのサッカーはポジショナルプレーを志向しています。ポジショナルプレーとはビルドアップの開始点で作った優位性を前線まで受け渡して積み上げてゴールまで届けます。

グアルディオラはDFラインとGKにこだわって選手を獲得してきました。ポジショナルプレーの開始点、DFラインでオープンを作ることの大切さをよく理解し、どのように実現すれば良いかを追求していたのでしょう。今のシティはグアルディオラの思想の正しさを見事に表現しています。

 

◆失敗に終わったチェルシーの戦術

2018年12月に行われたチェルシーのホームで行われたシティ戦で、サッリはアザールをワントップに置いたポゼッションに拘らないカウンター狙いのサッカーでそれまで無敗だったシティに勝利しています。それ故に今回の試合でサッリが前線からのプレスを選択したことに違和感を感じています。

違いがあると言えばイグアインが入ったことでアザールと合わせて攻撃の大駒が二枚になったことでしょうか。この二人がいることから引いて守ることを無理だと判断したのかもしれません。試合を観る限りでは選手達につまらないミスが続いていましたし、前からプレスを掛けるという選択はポジティブな理由ではなかったように思います。

サッリにとってはチェルシーの協力体制はあまり良いものではないですね。ジョルジーニョは獲得しましたが選手編成はほとんど変わっていません。(未だに3バックしたほうがしっくりきます。)イグアインよりも獲得しなければいけないポジションはあるはずなのですが・・・

 サッリの意向に沿った選手編成がなされて、プレミアの舞台でもナポリで披露していた素晴らしいサッカーができることを願っています。