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2019年 J2リーグ 第32節 京都サンガ VS 町田ゼルビア ~3バックでも同じことをやろう~

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ロングボールを多用する京都

互いの陣地にボールを送り込み、主導権争いを行った序盤。京都ははっきりとして方針を示してきました。

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町田のプレスに対して、裏を狙ったロングボールに前線の選手を走り込ませます。ホーム山形戦でも相手のプレスを嫌って似たようなロングボールを使っていましたが、この試合では性質がちょっと違っていて、はっきりと町田のDFライン裏を狙っていました。前半15分あたりまで、人を変えつつも最低3人が反応して前に飛び出し、町田DFラインに対してプレッシャーを与えていました。

 

3バックのひし形

これまで問題になっていた3バックでのビルドアップ。一つの解決策がこの試合で提示されました。

 

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3バック中央の闘莉王が前に移動することにより、GKと3バックでひし形を作る様に意識されていました。ひし形を作ることで幅と奥行きができ、守備側から追い込まれづらい形にすることでボール保持を安定させます。

町田2トップのプレッシングは淡白で、2列めからの援軍もあまりありませんでした。京都としてはボールを持つ時間を作れたので、前述の裏を狙うロングボールの精度も高まり、徐々に京都のペースとなっていきました。

京都が後ろでプレスに強い形を作っていたのですが、町田がそれでも思い切ってボールを奪いに来ていたら、京都としては嫌でしたでしょうし、試合の展開は大きく変わったでしょう。

 

余談ですが、3バックの中央が前にでると、これまでやっていた4-3-3のシステムに近くなるんですよね。

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 中田監督の試合後コメントを引用すると、

Q.システムを前節から継続しながらボールの動かし方はスムーズになったが、その要因は?

A.普段はあまり出ていない選手もいる中で、3バックと4バックでよく議論があるんですけど、立ち位置を整理したというところがあり、その立ち位置でいい駆け引きをしてくれました。

試合情報|京都サンガF.C.オフィシャルサイト

3か4かのシステムよりも立ち位置が大切であると、そういう事なんだと思います。

 

 

町田の圧縮守備と京都のポジショナルプレー

町田は前後に極端に距離を縮めた442ゾーンディフェンスが特徴のチームです。この試合でも京都は一番使いたかった中央に、なかなか入り込むことができませんでした。

その展開を想定していたのか、2トップであること、中央に密集するという町田の守備を特徴を逆手に取った攻撃パターンを用意していました。

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スリーバックの外の選手がボールを運び、大外に貼っている選手にパスーを出します。そうして相手SBを誘い出し、空いたスペースを狙います。

形は違えど、このSBを誘い出したスペースを狙うというのは90分通して続けられていました。4バックを崩す定石とも言えるのですが、チームを立て直すために、攻撃のセオリーを今一度徹底させる修正が行われたのが想像できます。

 

守備力の稼ぎ方

3バックでの守備面でも改善が見られました。特に宮城がうまくやっていたのですが、縦パスに対して前に出してカットを狙うプレーが出てくる様になりました。4バックに比べると3バックでは中央にいる人数が一人多いために、 思いきりよく前に飛び出せるようになります。3バックを生かすならやるべきプレーです。

 一方でボランチのコンビは庄司と金久保になってしまうため、中盤での守備はあまり良くなく、ボールを奪われると一気にスピードに乗らせてしまう事がありました。特に町田が後半に選手を2人変えてきてからは、押し込まれる時間を作られてしまいました。

それでもなんとかなったのは、一番うしろに強い選手を3人並べられたからですね。PAに入ってからも粘り強く守備が出来ていました。

後方で攻撃も守備もできる選手がいない以上は、何かを捨てる事になります。そのバランスは難しいところですね。今シーズン、ずっと調整が続けられています。

 

雑感

京都の3バックでのプレーがだいぶ整頓されていた印象はありました。ただ結果に影響が大きかったのは町田対策が上手くいった方が強い気がしています。町田のDFラインの対人能力がそれほどでもなく、京都の前線の選手でも5分の状況に持ち込めていたのも大きかったです。相手が変わると、同じ様な展開になることは無いでしょう。